あだち充



タッチ (1981〜1986) ☆☆☆☆☆
単行本 全26巻 ワイド版 全11巻 文庫版 全14巻 完全版 全12巻
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サンデー漫画の金字塔で、アニメ版は今や夏休みの風物詩。
この漫画を知らない人はいない程だが、20年以上も昔の漫画だから、今の少年少女達は
意外と全編通して読んだことはないんじゃないだろうか。文庫や完全版など新装されている
バージョンも多いので、是非手に入れて読んでほしい。

ストーリー自体はここに書くまでもなく知れ渡っていると思うが、
実際に読んでみるとアニメや映画では感じられない雰囲気があることに気付くだろう。
それは漫画家あだち充の卓越した技術がもたらすもので、
『タッチ』がなぜここまで売れたか、という大きな要因でもあるので是非その目で確かめて欲しい。

特にセリフ回しには要注目。
余計なセリフを削りに削って、自然な会話の中に余韻を残す。
自然すぎて自然であることにもなかなか気付かない。
特に少年漫画にはどうしても「漫画っぽい」セリフが付き纏いやすく、
会話をうそ臭くしてしまいがちなんだけど、これが極力抑えられている。
で、大事な場面になると、セリフそのものが極端に少なくなる。
わりと記号的な絵柄だから表情のパターンはそんなに多くないのに、
コマの中に書かれているあらゆるもので演出しちゃうんだから、すごいよなぁ。

26巻も続いてる割には始まりから終わりまで余計なストーリーがほとんどなくて、
さらに古今東西老若男女問わず楽しめる、とにかく完成度の高い貴重な作品。
爽やかな気分を味わいたい夏にピッタリの漫画です。