北斗の拳 (1983〜1988) ☆☆☆☆★
単行本 全27巻 文庫版 全15巻 愛蔵版 全15巻 完全版 全14巻
言わずと知れたジャンプ黄金時代の看板作品。
ハードボイルドを少年漫画に持ち込み成功させた上、
主人公を放浪させ、壮絶なバトルと泣かせるドラマをオムニバス的に組み込む構成は、
今で言うところの『ワンピース』あたりに引き継がれていると思う。
80年代の作品にも関わらずその人気は今だ絶大で、続編の『蒼天の拳』も連載中。
さらにアニメ展開はもちろん、パチスロ展開も現在にまで続いている。
肝心の本編はというと、正直16巻のラオウ編以降の蛇足感は否めない。
だがそれでも飽きずに読ませてしまうあたりが原&武論尊コンビの凄いところ。
原哲夫の劇画調の絵が生み出す迫力と、武論尊の徹底したハードボイルド主義によって
生み出されたケンシロウというヒーロー像が当時のジャンプにとって新鮮であったことは間違いない。
また(おそらく)ラスボスでありライバルであったラオウのインパクトも強い。
個人的にはどうしてもファルコ編と修羅の国編は設定の混乱を招いただけのような気がする。
実兄弟、義兄弟が複雑に絡み合ってわけわからなくなり、拳法も星もゴチャゴチャになっていく。
ただ、設定の妙や繊細な描写で勝負するタイプではないので、
この際そんな矛盾は気にせずに読むのがこの作品の正しい楽しみ方だと思う。
とにかく頭を空っぽにして、この世界の住人(特に虐待される一般人)と共に圧制に怒りを募らせよう。
そしていよいよ我慢ならんぞ!って時にケンシロウ登場。
圧倒的な力で悪党をねじ伏せる様は実に少年漫画らしいカタルシスを与えてくれるだろう。
人気作品の編集部による連載引き伸ばしについては、難しい問題なのでここでは語らない。
ただ、19巻の著者コメントでも原は「新しい設定の作品が描きたい」と書いているのが悲しい。