森田まさのり
ろくでなしBLUES (全42巻) ☆☆☆☆☆

wiki
90年代に第二期黄金時代を迎えた当時のジャンプを語るに外せない漫画。
ドラゴンボールやスラムダンク、幽々白書の影に隠れてしまっている感が否めないが、
個人的には上記三作品を上回る完成度であると思っている。
ドラゴンボールはあからさまなインフレが起きているし、スラムダンクは完結していない。
幽々白書は「ジャンプに殺された漫画」である。
その点でろくでなしは物語の完成度という点で前記の三作を凌駕する。
設定等に矛盾が生じなかったのは無理な複線を張らない森田氏の作り方が大きい。
かといって行き当たりばったりでもなく、非常にスムーズな展開で物語りは進んでいく。
森田氏の漫画に見られる特徴のひとつで彼の漫画の完成度を大いに高めている要素のひとつ
に「リアリティ」というものがある。それはおそらく膨大な取材・調査に基づくもので、
えてして現実感を失いがちなジャンプ漫画の中で確固たる地位を築いていた。「現実感」は
「説得力」に直結するからだ。漫画に現実感が失われると説得力がなくなる。説得力のない
漫画はおもしろくなくなる。単純だがそれは絶大な効力を発揮した。
だから今始めてこの漫画を読む人は、おそらく時代を感じることになるはずだ。
しかしそれはいい漫画である証拠である。漫画はその時代時代を投影するものなのだ。
また作中の写実的ですっきりとした背景描写もこの漫画に現実感をもたらしている要素のひ
とつなので、読む際は注目してみるといいだろう。
ともかくも少年漫画という肩書きの付いた雑誌の中で、最も王道を貫いた漫画、である。
特に中学くらいの頃、から高校の初め…くらいまでの気分に戻りたいなら凄くお勧め。
加えて作中何度も登場するブルーハーツの曲なんかを一緒に聴いてみるともっといい感じ。
ROOKIES (全24巻) ☆☆☆☆★

wiki
野球漫画というよりはどちらかというと熱血教師漫画。
野球やサッカーなどのスポーツものの宿命として鬼門なのはキャラクターの描き分け。
通常どんな漫画でも主要キャラは5〜10人程度だが、野球漫画を描こうとすると最低限必要な
9人+監督で10人に達してしまう。そうするとどうなってくるかって言うといつのまにか絡み
にくいキャラが出てきちゃう。ヤムチャみたいな。まぁこの辺は描きようによってなんとかで
きるんだけど、さらっとうまいこと活かせちゃう感じがさすがプロだよなぁ。
実際ブチャラティのチームが11人とかだったら絶対成り立たない。バンバン死にそう。
マジ戦隊ものとかが10人とかになったら世のちびっ子大混乱。ビリジアンとか出てきちゃう。マジキモイ。
脱線したけどこの作品は「完成度は高いが無難な作品」ともとれる。
もう少し主人公である川藤の話を掘り下げていけると作品にまた違った深みが出たかも。
なんにしろスポーツものの最大の鬼門は終わりどころ。
作品を綺麗に締めることができる森田氏の能力には脱帽だし、それだけで星4つの価値がある。